データベース リレーショナルモデルについて

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1.リレーショナルモデル構造

(1)データモデル

データベースがどのような形式で蓄えられているかデータベースの構造を決める雛形をデータモデルとよびます。どのデータモデルを使用するかによりデータベース構造が変わっており、リレーショナルデータベースに使用されるモデルについてはリレーショナルモデルと呼ばれています。

(2)リレーショナルモデル

データベースを二次元の表の集まりにし、データの集合から構成されるデータベースのことであり、数学の集合を基礎としたモデルのことを呼びます。

(3)リレーショナルモデル特徴

リレーショナルモデルの特徴としては以下の点があります。

①同じ集合に属するデータには共通の性質がある。
②要素を重複しないこと
③要素の順序には意味がないこと
④列は重複しないこと
⑤列の順序には意味がないこと

 

2.リレーショナルデータベースのキー

(1)要素の識別

リレーショナルデータベースにおいて集合の要素を明確に識別するのに役立つ列のことをキーといい、他集合の要素が重複して支障がでるのを防ぐことができます。

(2)外部キー

外部キーとはある表から他表の情報を算出するために使用される列のことをよびます。他テーブルと結合する場合などに使用されます。

(3)整合性制約

リレーショナルデータベースには利用に際して問題が生じないよう、いくつかのルールの中の一つとして整合性制約があります。主な整合性制約としては以下の点があります。

①主キー制約

 主キーに使用する列ではデータを重複させたりデータを欠落させることはできない。

②参照制約

 外部キーはほかの表と共通する列であり、参照先の列にないデータが外部キーにあってはならないということ。ただし主キーとは異なりデータの欠落、重複はでてきます。

③ドメイン制約

 データベースの個々の列にどのような範囲のデータを格納できるかを定めるルールであり、それ以外のデータは格納できなくするものを呼びます。

(4)データ操作

リレーショナルデータベースのデータに対して行える操作は集合を基礎としている為、演算によってもデータ操作が可能となっています。集合としてベーステーブル、導出テーブルがあります。

①ベーステーブル

 データベースに格納されている表のこと

②導出テーブル

 データベースのデータを検索した結果として一時的に作成されるテーブルのこと。

③ビュー

データベースの中で使用頻度の高い検索の内容をデータベースに記憶させておき、記憶された検索内容のことをビューという。

 

3. リレーショナル演算とは

リレーショナルデータベースは集合を基礎としているため、データ操作も数学の集合に用いるのと同じような演算によって行います。この演算のことをリレーショナル演算と呼びリレーショナル演算は二つの種類に大別できます。

 

(1)集合演算

和集合演算、差集合演算、共通集合演算、直積集合演算を使用します。

①和集合演算と差集合演算

二つの集合の和集合を求める演算でありA U Bです。リレーショナルデータベースに行う和集合とは、二つのテーブルのデータを集めて新たなテーブルを作成します。二つのテーブルにまったくのデータが存在する場合、和集合演算を行うと一方は削除されます。

②差集合演算

差集合演算とは二つの集合の差集合を求める演算のことです。

③共通集合演算

共通集合演算は二つの集合の共通部分を求める演算(A∩B)のことです

④直積集合演算

二つの集合の要素のすべての組み合わせを集めた集合を求める演算です。

(2)リレーショナル代数固有演算

リレーショナル数固有演算は射影演算、選択演算、結合演算、商演算の4つがあります。

①選択演算

 選択演算とはリレーショナルデータベースのテーブルから特定の条件を満たす行だけを抽出する演算のことです。

②射影演算

 リレーショナルデータベースのテーブルから条件を満たす列だけを抽出する演算です。

③結合演算

 リレーショナルデータベースの二つのテーブルを結合する演算であり、共通する列のデータが二つのテーブルの間で一致している行だけをのこす演算と一致していない行も残す演算の二つの種類に分けられます。前者を自然結合、後者を外部結合と呼ばれています。

④商演算

 二つのテーブル間でデータが完全に一致している部分を含む行を抽出する演算です。

4.まとめ

■データベースでのモデルとは?

 設計図、雛形、原型の意味であり、データベースで言われるモデルとはデータベース構造、雛形のことである。

■リレーションとは?

 関連するデータを集合させ関連付けること。

■ドメインとは?

 別名定義域とよばれ、個々の集合にどのような要素がぞくすることができるかはあらかじめ決まっており、属することのできる要素の範囲を定義域、ドメインと呼ぶ。(例:日付の集合であれば、ドメインは1/1~12/31になる)

■キーとは?

集合の要素を明確に識別するのに役立つ列のことをキーという。

■整合性制約とは?

主に主キー制約、参照制約、ドメイン制約からなるリレーショナルモデルに格納するデータのルール。

■ベーステーブルとは?

データベース用語では動物名や所属科名のような集合をベースリレーションといい、ベースリレーションにより構成されるテーブルをベーステーブルと呼ぶ。

■導出テーブルとは?

データベースのデータを検索した結果として一時的に作成されるテーブルのこと。検索結果のテーブルである。

■ビューとは?

あらかじめ使用頻度の高い検索の内容をビューという。

■リレーショナル演算とは?

主に集合演算、リレーショナル代数固有演算からなり、集合演算には和集合、差集合、共通集合、直積集合、リレーショナル代数固有演算には選択演算、射影演算、結合演算、商演算とある。

■自然結合とは?

直積演算、選択演算、射影演算を組み合わせて行う演算であり、二つのテーブルの間で一致した行だけを残す演算

■外部結合とは?

直積演算と射影演算の組み合わせであり、二つのテーブル間で一致していない行も残す演算である。

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